新型コロナ感染拡大続く 県「実際は報告数よりもさらに拡大している」注意を呼び掛け 大分
2020年に大分県宇佐市の住宅で親子2人が殺害され現金が奪われた強盗殺人事件の裁判についてです。
5日福岡高裁は死刑とした一審判決を支持し弁護側の控訴を棄却しました。
弁護側は即日上告しています。
◆TOS山路謙成記者
「控訴を棄却する判決を聞いた瞬間、佐藤被告は表情を変えず一点をまっすぐに見つめていた」
この事件は2020年2月、宇佐市安心院町の住宅で住人の山名高子さん79歳と長男の博之さん51歳が殺害され現金が奪われたものです。
そのおよそ1年8か月後、警察は当時会社員だった大分市の佐藤翔一被告40歳を逮捕しました。
◆佐藤翔一被告(一審初公判)
「すべて僕はやっていません。僕は犯人ではありません」
2024年、大分地裁で開かれた裁判で佐藤被告は無罪を主張。
検察側は佐藤被告が所有する車から被害者のDNA型と一致する血痕が見つかったことなどから、「被告が犯人」であると指摘。
一方弁護側は犯人である直接的な証拠が無いほかユーチューバーを名乗るプロレスマスクの男たちに頼まれ、現場近くに向かったとして「真犯人がいる可能性がある」などと反論していました。
そして2024年7月の一審判決。
大分地裁の辛島靖崇裁判長は「被告人が犯人であることが認められ合理的な疑いはない」などと指摘。現金についても少なくとも5万4000円を奪ったことを認め佐藤被告に対し死刑を言い渡していました。
ことし6月、福岡高裁で始まった控訴審。初公判で弁護側は「被告が相当額の現金を奪った点と犯人である点に事実誤認がある」と改めて無罪を主張し、検察側は控訴の棄却を求めました。
また弁護側が7点、検察側が1点の証拠を調べるよう請求しましたがいずれも不必要などとして裁判所から却下されています。
そして5日開かれた控訴審の判決公判。
福岡高裁の平塚浩司裁判長は弁護側の控訴を棄却し死刑判決とした一審判決を支持しました。
平塚浩司裁判長は「佐藤被告の車から検出されたDNA型や事件後に『殺人犯が捕まるまで 』などとインターネットで検索をしていたその後の行動などを総合的に判断した」などとしたうえで「一審判決の認定、判断はその説明に一部適切でない部分があるものの佐藤被告が犯人であると認定し 現金を奪ったと認めた結論が不合理であるとは認められない」と結論付けました。
◆殺害された高子さんの息子
「相変わらず佐藤翔一被告は荒唐無稽な言い訳に終始して無罪を主張しているなぜ犯行に及んだのかなぜ母と兄を殺さなければいけなかったのか、なぜあんな執拗な殺し方をしたのか。なぜずっと否認をしているのか全く語ってないのでその点については私は全然満足していない」
判決を受けて弁護側は即日上告しています。
二審で死刑判決が支持された宇佐の強盗殺人事件。今後の裁判の行方が注目されます。